[57] 更科源蔵さんの詩


今度歌うことになった「海鳥の詩」の詩を書いた更科源蔵さん。他にどんな詩を書いているのかと詩集をめくっておりました。もちろん北海道の景色が多いのですが、そんな中、印象に残ったのが以下の詩です。

「7月」

夕立が熱さを洗って行ったあと
カッパは水かさのふえた沼の中で
蒪菜の茎につかまって首だけ出し
ポカンとしてきれいな空を見上げていた
すると目の前からびっくりするほど綺麗な虹が
キラキラする空へみるみるのびていった
(途中略)
あしのうらでしっかりと虹に吸いつき
次の足も虹の上にのせてみた
水からも土からも離れてカッパは一尺ほど空に浮いた
(途中略)
“俺は神様になれるかもしれない”
さうしてとうとう雲の峰にたどりつき
豆粒のやうに見えた姿が雲の中へ見えなくなってしまった
本当に神様になったかどうか
それきりカッパは沼へは帰って来なかった

<日本現代詩文庫「更科源蔵詩集」56頁
<詩版画集『河童暦』より>

[テノール高木です (2014/04/06 Sun 19:03) ]

[56] 窓ガラスの上の夢


3月に入り、気温は低いものの、太陽光パネルの発電の数値も高くなり、やはり春は近いと感じます。では、春にならないうちに、冬の名残りの詩を。

フッと息を吹きかけると 
 現れる 白いカンバス
 人さし指で 書いてみる
 やわらかな風景の上に
 浮んだ「あ」
 ゆっくり ゆっくり 飛んでいく

人いきれで だんだんと
 濃くなる 白いカンバス
 人さし指で 書いてみる
 にじんだ灯りを背景に
 浮かび上がる「しあわせ」
 いつか 水蒸気として消えていく

冬の車内
 そこにも ここにも
 たくさんの夢が
 窓ガラスの上に ある

<では、また>

[テノール高木です (2014/03/09 Sun 12:09) ]

[55] 東へ


最近、東京への出張が増えてきました。米原乗り換えで新幹線利用が多いです。少し前に、京都から見た、あるいは、近畿から見た、「関」はどこか、という話題を聴きました。「逢坂の関」か、「関ヶ原」とか、言っていたように記憶しています。というわけで、

明るい 冬田の向こうに
雄々しく そびえる 伊吹
削りとられた 石灰岩の山肌に
降りつもった雪が
白く輝く

ふり返れば
湖(うみ)の向こうに
比良の山なみ
落ちついて たたずむ

さあ 関を越えて
行こう 東へ

今日も 故郷の
大地を確めて
そうして 未来へと向かう

<では>

[テノール高木です (2014/02/23 Sun 16:47) ]

[54] 夕陽をおいかけて


わーい、冬休みだ。近年は、掃除も一年に分散しているので、新年を迎えるためのお清め程度になっています。気分的にはゆったり。
ちょっと前に、財津和夫(チューリップ)の番組を放送していました。完全にカバーできている世代ではありませんが、懐かしかったです。中で「夕陽をおいかけて」という曲がながれていました。詩の内容は完全には把握できていません。ただ、この「夕陽」とは、ふるさとのことなのか、自らの人生なのか、という疑問というかイメージを持ちました。自分なりに、考えると以下の通りです。

朝陽とともに 生をうけ
登る太陽とともに
未来を追いかけてきた
若々しく はじけていた時が
とても なつかしい

走りつづけた今
夕陽をおいかけている
ゆっくりでも 歩こう
今 心にある夢に向かって
そうすれば 少しでも長く
夕陽をおいかけていられる
小さな四角の窓から見える
一点に集中して
そうすれば
夕陽をつかまえられるかもしれない

赤々と輝く 夕陽を

<では、よいお年を>

[テノール高木です (2013/12/30 Mon 11:40) ]

[53] 夢の世界


列車に揺られていると、安心して自分の、自分だけの世界に入っていける。そんな気がしています。それも、日本が安全だから?

遠くで動かない風景
心地よいリズム
ゴーッと床下のモーター音だけが耳に残る
この空間
ちょっと不思議
ノイズという壁に囲まれて
本の世界で旅をする

座っている人
立っている人
外を見ている人
寝ている人
それぞれの 時を 過ごす人たち
ねむりに集中できる
この空間
ちょっと不思議
たくさんの人という壁に囲まれて
夢の世界で旅をする

雨あがり
 雲の穴から 光の柱が おりてきた

<静かな、日曜の午後です>

[テノール高木です (2013/11/17 Sun 14:55) ]

[52] 水は天下のまわりもの


外はシャンシャン雨降りです。
気温は日に日に下がっていきますが、音楽会に向けてエネルギーが増していく。
といきたいところですが、少々風邪気味。
皆さんも、注意してください。

さて、今年は台風によるたくさんの雨が集中して降りました。そんな雨も、地球をぐるぐる回る“水”です。

水は天下のまわりもの
 まわっている?
 まわらされている?

彼方から届く 太陽のエネルギーで
動きはじめた 水たちは
地球をまわる 風にのり
はるかの空で 地上に降る
重さと共に 流れゆく

いや

自らの意思で 蒸発した水たちは
仲間を集め まわりだし
火照った街を 探しあて
一気に 大地へ つきすすむ

水は天下のまわりもの?

<明日、天気になーーれ>

[テノール高木です (2013/11/10 Sun 16:18) ]

[51] 夏の思い出


音楽会のチケットを送るべく、手紙を書いています。最近は年賀状も印刷。この案内だけが、宛名も含めて手書きです。相手の顔を思い浮かべながら、言葉を探しています。先週も今週も祝日があり、ゆっくり時間がとれてよかったですね。
外は、秋。

すかした窓から ひんやり空気
 少しめざめた 脳の奥に
 虫の歌が届く
 今、秋の明け方

体を起こし 一歩二歩
 ボリュームが上がる
 飛びこんでくる 大合唱に
 暑かった夏が
 かきけされる
 今、夏の夜の終わりかけ

もう少し 思い出にひたろう

<では、また>

[テノール高木です (2013/09/23 Mon 14:50) ]

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