[15] タイムラグ


穏やかな日曜日です。おとといは近畿でも非常にゆっくりした長い揺れを感じたそうです。私自身はちょうどその時、地下鉄に乗っていたので、全く気付きませんでした。狭い日本なのに、私より遠くNZの人のほうがしっかりこの状況を受け止めているのでしょうか。

地球のわずかな
 身ぶるいに
コトバがない
あわてることすらできない

昨日あった風景が
今、そこに ない
まるで 夢だったかのように

私の周りは
いつもとかわらぬ
穏やかな景色

遠い海を越え
あたたかい手の友人が
やってくるという

そのニュースを聴いたとき
穴のあいていた心に
悲しみがわいてきた
何だろう このタイムラグ・・

[テノール高木です (2011/03/13 Sun 11:40) ]

[14] アリガトウ


先月、いつもより少し早く、学生時代の友人のお墓参りに行きました。例年、遅めの春雪に出会う確率がたかいのですが、今年は早春の冷たい雪でした。

今年も
 アナタに会いにやってきた
ふりしきる 白い雪
少し暗い色の中
手向けた花が 光っている

アナタの子供は
 みな立派に とても素敵に
 なった
そして 私も
 また 一年をめぐることができた

アリガトウ
 誰に向かって言うのでなく
 そう 心に浮かんだ
一年に一度 アナタと語る この時
私は
また来ると誓う
 きっと子供らは もっと大きく
 なっている

空から 陽が差してきた

<では、来週も練習ガンバ>

[テノール高木です (2011/03/06 Sun 16:13) ]

[13] 「生きる」ということ(1)


今年の第38回音楽会で
谷川俊太郎 作詞の「生きる」と言う曲を演奏する予定です。
それに関連して素晴らしいメルマガを教えていただいたので紹介します。
♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪
致知出版社の「人間力メルマガ」【2011/2/17】
本日は、3年前、イタリアで行われた合唱のワールドチャンピオン大会で、世界一となる快挙を成し遂げた、杉並学院中学高校合唱部顧問・渕上貴美子先生のお話をご紹介します。
───────────────────────
「小児がん病棟での慰問演奏」    
渕上貴美子(杉並学院中学高等学校合唱部指揮者)
       
『致知』2009年3月号 特集「賜生(しせい)」より

───────────────────────
(20年間の合唱指導の中で、特に忘れられない出来事をお聞かせください」の質問に)
7年前、小児科の末期がん患者の病棟に演奏をしに行った時のことです。

学校のある卒業生の方から
「病院にいる子供たちに、あなたたちの天使の歌声を聴かせてあげてもらえないか」

とお話があり、私も「ぜひ」と言って受けさせていただいたんです。
病院には全員ブレザーを着ていったのですが、
黒っぽい服では威圧感があるからと、
その場で上着を脱がされて、全身に消毒液をかけられました。
寒い時期だったんですが、扉を開けると、
物凄く暑くて、狭い部屋だったんです。

目の前には、本当にこの子がもうがんなんだろうか、
と思うような赤ちゃんから、
放射線で髪の毛がぼさぼさになってしまっている子、
頬全体が陥没して顔が半分ない子だとか、
もうそれは、見ただけでも体に震えがくるようなひどい状態の子たちがたくさん……。

その子たちの前で、私たちは部屋の隅っこのほうに
へばり付くように立ちました。  
敷かれたホットカーペットの上には、
お母さん方も座っていたり、
廊下にはドクターや看護師さんの姿も見えました。

私は壁の一番端に行って、指揮棒を振ったんですが、
もう涙が止まらなくて、本当に……。
私の目の前で、お母さんが乳飲み子をギューッと抱えながら、
涙をポロポロ零すんですよね。

[喜多徹人 (2011/02/24 Thu 23:39) ]

[12] 「生きる」ということ(2)


(1)からの続き

あぁ、自分の子はこんなに
大きくまで育つことができないんだ、とか、
いろいろ思われたんじゃないかと思うんですが、
看護師さんもドクターも皆泣いていらして、
泣いていなかったのは、当のがんの子供たちだけで。
私も我慢しなくちゃ、と思うんですが、
もう悲しくて悲しくて、
生徒たちも涙をポロポロ零しながら、
でも必死に笑顔をつくって、一所懸命歌って。

そしたら歌が終わった後に、
髪の毛のない子や顔の陥没した子たちが
「お姉ちゃんたち、どうして泣いてるの」 
って言うんです。看護師さんが
 
「あなたたちがあんまり一所懸命聴いてくれるから、お姉ちゃんたち感動しちゃったのよ。楽しかった?」
 
と尋ねました。するとその中の一人が
「凄く楽しかったぁ。
大きくなったらお姉ちゃんと一緒に歌いたい」
って、もう私、本当に胸が張り裂けそうで…。
 
その時に、心から、あぁ歌は素晴らしいと思いましたし、
いま生きていて、自分のできることを一所懸命やることが、
どんなに大切なことかを凄く強く感じました。

その帰りの電車の中で、ある生徒が
 
「先生、あんなに皆を悲しませちゃって、
私たちが合唱をしに行ったことは本当によかったんだろうか?」
と言ったんです。何しろあの場にいた大人たちが
あまりにも涙を流していましたから。
その時に私は
 
「うん、よかったんだよ。
たぶん、お母さんも、病院の先生も、看護師さんも、
皆悲しくて、もう泣きたくて、泣きたくてね。
でも、いま一所懸命生きている子たちの前で泣けないでしょ? 
それを、あなたたちの歌で感動したふりをしてね、
思いっきり泣くことができたからよかったのよ。
明日からまた笑顔で頑張っていけると思う」

と言ったんです。

[喜多徹人 (2011/02/24 Thu 23:39) ]

[10] 「生きる」ということ(3)


(2)からの続き

すると生徒が
 
「そうか。じゃあ私たちの歌で少しは楽になったのかな?」 
と言うから

「そうよ。そして歌を聴いていた子たちが
『お姉ちゃんと一緒に歌いたい』と言った。生きよう、って。
いや、生きるということは分からないかもしれないし、
もしかしたら一か月後には命がない体かもしれないけれど、
少しでも希望を持って生きようとしたということは、素晴らしいことだから」
と話して、お互いに感動しながら
学校に戻ったことがあるんです。

私は、生きているということは、
自分一人がここに存在して、ただ呼吸をしているのではなく、
いろいろな人と出会って、怒ったり、笑ったり、悲しんだり、
苦しみを分かち合ったりして、相手の心や周りにいる人たちの心を、
ちゃんと感じられることではないかと思うんです。
私が慰問演奏に行った時に、
「いまを大切に生きなければ」と強く思ったのは、
幼くして亡くなってしまう子たちもいるんだから
頑張って生きよう、という思いではなくて、
あの時、あの部屋の中で、それぞれの人の心がうごめいていたんですね。

無邪気に喜んでいる子供や、
日頃泣けない家族の人たち……、
そういう、たくさんの思いが
満ち溢れている中に入ったから、
あぁ、ちゃんと生きていかなくちゃ、
神様から与えられたこの命を、
大切にしなくちゃいけないと感じたのだと思うんです。

谷川俊太郎さんの詩に
 
「生きているということ

いま生きているということ

泣けるということ

笑えるということ 怒れるということ」

という言葉がありますが、本当にそんな思いですね。
そうやって、いろいろな人の思いを感じられることで、
人間は生きている価値が生まれてくるものだと思います。

♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪

歳を取ると涙もろくなっていけません。
この歌をステージで歌うときに涙を流さないように努めます。

[喜多徹人 (2011/02/23 Wed 23:14) ]

[7] 冬


先日、ピアノコンクールでH君の演奏を聴きました。かっこよかったですねあ。演目が「演奏会用アレグロ」でした。ちょうどこの日、図書館で「これで納得! よくわかる音楽用語のはなし」という本を借りました。少し前に、新聞で紹介されていた本です。楽譜に載っている言葉のイタリア語の意味を解説している本でした。なんと、その一番最初に掲載されていたのが「Allegro」でした。これは偶然か。
 楽譜上では「速く」なのですが、イタリア語の意味は「陽気に、楽しく、明るく」なのだそうです。陽気で楽しいときのワクワクドキドキした感じの、心地よい速さとの解説でした。なんか納得。こんな意味を考えながら歌ったら楽しいかもしれませんね。ちなみに「Largo」は幅広い横の広がり、雄大な景色、だそうです。

さて、久しぶりに、詩をひとつ。

白いクリームの山の上に
 濃い紫の まあるくてすっぱい
 ブルーベリーの実
 フワッと コーヒーの湯気が
 ただよっている

ガラス越し
 黄色と紫のパンジーが
 冷たい風にゆれている
 春になれば
 明るい緑に輝く その葉も
 今は 濃く固い

視線の彼方に
 白い稜線
 すきとおった青い空に
 映えている

一瞬 まわりの木々が
 ザワめいた後 
 白い粒が おちてきた

<では>

[テノール高木です (2011/02/13 Sun 00:04) ]

[6] 年がゆく年が明ける


除夜の鐘のころって、いつもなぜか、じっと遠くから聞こえる鐘の音を聞いてしまいます。いつもと同じように時間が過ぎてゆくだけなのに、でも、ものすごく大きな境(壁?)を越えてゆく感じ。今年も無事に新しい年を迎えられたという安心感があります。

華やかなステージが終わり
テレビのスイッチを消す
静けさにつつまれた耳に
遠くの鐘の声が
次第に 近づいてくる

ひとつ ふたつ
 数えていくと 年が暮れていく
みっつ よっつ
 鐘の声の間が
 どんどん深まっていく
 息をひそめるかのよう

いくつめかの鐘の声に
0時のトキが重なる
フゥッと息をはきだす
新しい空気が 
暗い空の下で動き出す
どこかで オメデトウの声が
玉じゃりを踏む音が
聞こえる

今年もたしかに年が明けた
さあ 安心して眠ろう

<では、今年もよろしくお願いしまーーす>

[テノール高木です (2011/01/11 Tue 20:11) ]

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